フリーウエディングプランナーの藤内留美(とうない るみ)さんがプロデュースするのは、瀬戸内海に浮かぶ豊島・直島・小豆島を舞台にした結婚式。交通手段や施設に限りがある離島での結婚式は、一見すると不便で大変そうです。けれど藤内さんが大切にしているのは、予定不調和な出来事さえも楽しむ「余白」の時間。
藤内さんがなぜ島での結婚式にたどり着き、どのようにして新郎新婦やゲスト、そして島の人々の心を動かす一日を創り上げているのか、その哲学と魅力に迫ります。
目次
- プランナー、フローリスト、そして島の案内人へ。フリープランナー藤内留美さんが辿り着いた運命の場所
- 素朴な豊島、アートな直島、開放的な小豆島。藤内留美さんのウエディングを彩る、三つの宝島物語
- コンセプトも演出もいらない。ただ、心に豊かな“余白”を。感情のフタをしない、藤内留美さんのウエディング哲学
- 旅の始まりから終わりまで、最高の案内人に。藤内留美さんと歩む、心尽くしの島時間
- ハプニングさえ、最高の思い出に。島の人々との温かい絆が紡ぐ、予定不調和のウエディングストーリー
- 不便さの中にある、本当の豊かさへ。フリープランナー藤内留美さんから届いたメッセージと、人生を輝かせる5つの約束
- 藤内留美さんの結婚式のポイント
プランナー、フローリスト、そして島の案内人へ。フリープランナー藤内留美さんが辿り着いた運命の場所
徳島での式場プランナーから、東京でのフローリスト修行へ。そして再び地元へ戻り、導かれるように瀬戸内の島でのウエディングプロデュースを始めた藤内留美さん。装飾への強い探求心と、偶然の出会いが紡いだユニークなキャリア。彼女がなぜ島の結婚式のスペシャリストになったのか、その fascinatingな旅路を紐解きます。
プランナーからフローリスト、そして再びプランナーへ
——藤内さんは式場プランナー出身でありながら、上京してフローリストに転向し、またプランナーの道を選ばれています。なかなか珍しいキャリアですが、どのような経緯でそうなったんですか?
藤内さん:
私は徳島出身で、徳島の専門式場でウェディングプランナーとしてキャリアをスタートしました。以前から装飾や装花にも興味があり、独学で学んでいたのですが、オーダーメイドウェディングというものが世の中に登場し始めた頃、ますますその関心が強くなっていったんです。式場でプランナーをしながらでは限界を感じ、フローリストに転向することを決意。上京して、数年間フローリストとして修行を積みました。
その後は地元に戻り、以前の式場でフローリストとして関わるようになったのですが、さらに自由に空間を作りたいと思って独立することにしました。フローリストの仕事がない時期にたまたま豊島のレストランで働いていると、そこで結婚式をしたい、という方が現れたんです。そこで式場プランナーの経験を生かして、私がお手伝いさせていただくことに。島には花屋さんがないので、フローリストも兼任しながらのスタートでした。そこから今では豊島・直島・小豆島の3島で結婚式を手がけています。

素朴な豊島、アートな直島、開放的な小豆島。藤内留美さんのウエディングを彩る、三つの宝島物語
藤内さんのウエディングの舞台は、瀬戸内海に浮かぶ3つの個性的な島。ゆったりとした時間が流れる豊島、現代アートの聖地・直島、そして100人規模のパーティも可能な小豆島。それぞれの島の魅力を知り尽くした彼女だからこそ描ける、三者三様の結婚式の形があります。ふたりとゲストを島全体で楽しませる、旅するウエディングの魅力に迫ります。
三つの島それぞれの特徴
——全国で結婚式を手がけ、その中で離島も対応可能、というプランナーさんは聞いたことがありますが、藤内さんは「豊島・直島・小豆島」の3つを専門とされています。それぞれの島の特徴や違いを教えていただけますか?
藤内さん:
豊島は人口700人ほどのコンパクトな島。素朴で島らしい雰囲気が魅力です。船の便数も少なく、不便だからこそ、ゆったりとした時間が島全体に流れています。レストランを貸し切って、30-40名ほどで会話を中心に楽しむ、リラックスしたパーティーに最適です。
直島は、現代アートの聖地と言われるほどの「アートの島」。港の近くには「アートな教会」として建てられた教会もあります。アート好きを中心にファンが多く、全国から直島で挙げたいというお客様が集まります。島全体にアート作品があるので、ロケーション撮影も人気ですし、ゲストの方にもアートに触れていただく体験をプランに組み込んだりします。
小豆島は他の2つの島と比べると人口1万人程度と比較的大きく、アクセスもそこまで不便ではありません。海の前にある道の駅の広大な芝生広場を舞台に、ゼロから空間を作り上げるので、自由度も一番高いです。ゲスト人数は35名程度から100名規模まで対応が可能。テーブルや椅子も一から持ち込むので、テーブルを放射線状に配置したり、お花をふんだんに使ったりと、ロケーションに見合った、作り込んだ結婚式が実現できます。
島全体を楽しむウェディング
——遠方からやってくるゲストも多いのではないでしょうか?
藤内さん:
そうですね。初めてその島にやってくる方も多いので、島全体を楽しんでいただけるよう、結婚式本番だけでなく、前後の滞在も含めた全体のプランを組むようにしています。ゲストが到着したら港まで迎えに行き、みんなでワイワイと会場まで移動したり。
結婚式が終わったらみんなで山へ行き、夕日をみんなで見たり。景色や自然を共有し、結婚式だけでない、島での時間をゆったりと楽しんでいただきます。

コンセプトも演出もいらない。ただ、心に豊かな“余白”を。感情のフタをしない、藤内留美さんのウエディング哲学
タイムスケジュールに追われる結婚式ではなく、ただゲストとゆったり同じ時間を過ごしたい。そんな願いを叶えるのが、藤内さんの「余白」を大切にするプランニングです。あえてコンセプトや演出を決めつけず、その瞬間の感情を自由に解放させることで、誰もが素直な心で過ごせる一日を創り出す。彼女のウエディングが持つ、温かく、そして深い魅力の源泉を探ります。
大切にしていること
——島での結婚式を選ばれる方はこだわりも多そうなイメージですが、藤内さんが結婚式をプロデュースする上で大切にされていることはありますか?
藤内さん:
結婚式だからこうしなきゃ、という考えではなく、「こうしたらみんなが楽しいだろうな」とか「こうしたら喜んでもらえるかな」という、人としての、ごく自然な感覚を大切にしたいと思っています。
実際に相談に来ていただく新郎新婦さまは、自分達を祝ってほしい、目立ちたいということはほとんどなくて、シンプルにゲストとゆったり同じ時間を過ごしたい、とおっしゃることが多いですね。
コンセプトや演出をあえて作らない理由
——藤内さんの結婚式にはコンセプトもなければ、細かな演出もないことが多いとお聞きしました。一般的なオーダーメイドウェディングのイメージとは違いますが、なぜでしょうか?
藤内さん:
コンセプトを決めたり、結婚式の枠を作り過ぎてしまうと、お二人やゲスト、一緒につくるスタッフの感情や行動に「フタをしてしまう」ような気がするんです。
結婚式は、みんながそれぞれに感じたまま、素直な心で過ごしてほしい。だから、あえて「このタイミングでこれをして」というような演出は決めず、たっぷりと「余白」を持たせるようにしています。

旅の始まりから終わりまで、最高の案内人に。藤内留美さんと歩む、心尽くしの島時間
遠方からのゲストが多い島の結婚式。藤内さんは、そんな不安をすべて解消するべく、交通手段から宿泊まで旅の全てをコーディネートします。時には自ら送迎ドライバーとなり、「次の次の日まで」寄り添うことも。「親戚かと思った」と言われるほど自然にゲストの輪に溶け込み、最高の旅を演出する。その手厚いサポート体制に光を当てます。
島ウェディングを希望する人
——どういった方が島でのウェディングを希望されるのでしょうか?
藤内さん:
最近では地元の方も増えてきましたが、ほとんどが関東など、遠方に住んでいらっしゃる新郎新婦さまです。瀬戸内国際芸術祭をきっかけに島を訪れ、ここで結婚式を挙げたいと思われる方も多いです。
遠方からの不安を解消するサポート
——遠方だと土地勘もなく、不安も多いのではないでしょうか?
藤内さん:
それは当然ですよね。なので私は新郎新婦のお二人だけでなく、ゲストの移動から宿泊まで、旅の始まりから終わりまでをトータルでサポートさせていただいています。結婚式の中身だけでなく、ゲストがどこから来て、どのフェリーに乗り、何時に到着するのか——島にはタクシーが1台しかなかったり、宿泊施設も限られるので、事前の打ち合わせで細かく確認し、こちらですべて手配するようにしています。
当日だけでなく、次の日、場合によっては次の次の日まで、私自身が送迎ドライバーをすることもあります(笑)。ゲストからは「新郎新婦の親戚かと思った」と言われたこともありますが、それくらい自然と皆さんに馴染んでご案内ができたらと思っています。そうやって新郎新婦やゲストの皆さまには旅行感覚で島の時間を楽しんでもらえたなら、私としても嬉しい限りです。

ハプニングさえ、最高の思い出に。島の人々との温かい絆が紡ぐ、予定不調和のウエディングストーリー
島の結婚式に、予期せぬ出来事はつきもの。船が欠航しそうになったり、ゲストが道に迷ったり。しかし、そんなハプニングさえも、島の人々の温かい協力が最高の思い出へと変えてくれます。島民と手を取り合い、地域に根差した結婚式を創り続けてきた藤内さん。彼女と島の人々との間に生まれた強い信頼関係と、そこから生まれる奇跡の物語を紹介します。
天候などへの対応
——藤内さん自身が送迎までしてくれるとは、手厚いですね(笑)。とはいえ島の結婚式には天候などの心配もあります。
藤内さん:
雨の場合は屋根のある場所を抑えておく、チャーター便が欠航になった場合は違うルートを前日までにご案内するなど、必ず対応策はありますのでご安心ください。結婚式の前日に「明日、チャーター船が出ないかも」という連絡が入ることは、実は毎回のようにあります。でもそんな時は、定期船を運航している大きな船会社の方が「うちが乗せてあげるよ」と声をかけてくれたりもします。
何が起こるかわからないのが、島の面白いところです。
以前、港から会場まで歩きたいとおっしゃったゲストがなかなか到着せず、心配して見に行ったら、なんと自転車で現れたことがありました。島の方が「そこのレストランまで行くならこれに乗りなよ」と、自転車を貸してくれたそうなんです。こうした人の温かさから生まれる予期せぬ出来事こそ、最高の思い出になります。
島の人々との協力体制
——島ならではの温かさ、そしてハプニングですね……!
藤内さん:
最初は島の人間ではない私が新しいことを始めるのに、いろいろな声がありました。
でも私は外からすべてを持ち込むのではなく、島の人たちを巻き込み、一緒に作りたいと思って、島での結婚式を作ってきました。今では引き出物となる商品をお願いしたり、サービススタッフも島のひとにお願いするなど、地に足をつけ、島の人たちと協力しあって結婚式を届けています。
私が車でフェリーに乗り込むと「今週末、結婚式があるの?」と声をかけてもらったり、新郎新婦やゲストを港まで島民が見送りに行ってくれたりと、いつも温かく支えてもらっています。

不便さの中にある、本当の豊かさへ。フリープランナー藤内留美さんから届いたメッセージと、人生を輝かせる5つの約束
瀬戸内の離島での結婚式は、不便だからこそ、当たり前のありがたみや人の温かさを心から感じられる特別な体験。フリープランナー藤内留美さんから、これからの人生をより豊かにする時間を一緒に創りたい、というメッセージが届きました。彼女の哲学が凝縮された5つのポイントと共に、新しい旅の扉を開いてみませんか。
藤内留美さんからの特別メッセージ
藤内さん:
瀬戸内海に浮かぶ離島での結婚式は、不便なこともたくさんあります。けれどその不便さがあるからこそ、身近にあるものの豊かさや、人々のありがたみを心から感じることができます。新郎新婦のおふたり、そしてゲストの皆さんと一緒に、これからの人生がより豊かになるような時間を、この島で作っていけたらと願っています。
藤内留美さんの結婚式のポイント
1. 島全体で創る「旅するウェディング」
島への移動、観光、宿泊から結婚式後の時間まで、旅のすべてをトータルプロデュース。島の人々との温かい交流の中で、忘れられない体験が生まれます。
2. 「余白」が生み出す、予定不調和の感動
あえてコンセプトや演出を固めず、「余白」を大切にプランニング。ゲストや島の人々の自然な心の動きが、想像を超える感動の瞬間を紡ぎ出します。
3. 三つの島の魅力から選ぶ、唯一無二の舞台
素朴な手島、アートな直島、開放的な小豆島。新郎新婦の想いやゲストの顔ぶれに合わせて、3つの個性的な島から最高の舞台を提案します。
4. 持ち込み自由で費用も柔軟に
衣装やカメラマンの持ち込みは自由で、持ち込み料もかかりません。もちろん、信頼できるクリエイターの紹介も可能です。
5. 遠方でも安心の徹底サポート
オンラインでの綿密な打ち合わせと、交通・宿泊の完璧な手配で、遠方からの依頼でも不安なく準備を進められます。
まずは公式情報をチェックして、藤内留美さんの世界観に触れてみてください!
単なる結婚式ではなく、「人生を豊かにする時間」を創り出す藤内留美さん。その根底にあるのは、島と、そこに住む人々への深い敬意と信頼です。決められた幸せの形ではなく、自分たちだけの、そしてゲストと共に分ち合う本質的な喜びに満ちた一日を迎えたいと願う方は、ぜひ一度、藤内さんに相談してみてはいかがでしょうか。
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