結婚式の準備から当日まで、いちばん近くで伴走してくれるウェディングプランナー。式の日が近づいてきて、「お世話になったし、何かお礼をしたほうがいいのかな」と気になり始めた方も多いのではないでしょうか。
先に結論からお伝えすると、プランナーへのお礼や心付けは義務ではありません。現在の結婚式では、スタッフへの対価は料金の中にきちんと含まれているため、現金の心付けをあえて用意しないという選択がごく一般的になっています。
それでも、「感謝の気持ちを何かの形にして渡したい」と考えるおふたりのために、この記事では心付けの現在の慣習と金額相場、相手に気を遣わせずに渡せるお礼のプレゼントの選び方、そしてフリープランナーに依頼した場合の考え方までまとめました。受け取る側であるプランナーの実感も交えてお伝えします。
結婚式の「心付け」とは?いまは「渡さない」が主流
心付けは、当日に現金で渡す感謝のしるし
心付けとは、お世話になる方へ感謝の気持ちとして渡す少額の現金のことです。海外のチップに近い習慣で、結婚式ではウェディングプランナーをはじめ、ヘアメイクや着付けの担当者、介添人、司会者など、当日を支えてくれるスタッフに「本日はよろしくお願いします」という気持ちと幸せのお裾分けを込めて渡されてきました。
なお、主賓や遠方ゲストにお渡しする「お車代」はゲストへのお礼であり、心付けとは別のものです。
サービス料に含まれているから、渡さなくても失礼にならない
ひと昔前は、心付けは結婚式の当然のマナーとされていました。しかし現在の結婚式では、見積書に「サービス料」や「介添料」が明記され、スタッフのサービスへの対価が料金の中にきちんと含まれています。そのため、現金の心付けはあえて用意しない、という考え方が主流になりました。
渡すかどうかは完全におふたりの自由で、渡さないことがマナー違反になることはありません。ただし、地域の慣習や親世代の考え方が関わることもあるため、気になる場合はご両家で軽く話し合っておくと安心です。ちなみに結婚準備メディアの調査では、心付けを渡した人が選んだ相手として最も多かったのはウェディングプランナーでした。「渡さなくてよい。でも渡すなら、いちばんお世話になったプランナーに」というのが、いまの実情に近い温度感です。
式場によっては受け取れないルールも。用意するなら事前確認を
会場所属のプランナーやスタッフは、会社の規定として心付けを受け取れないケースが少なくありません。せっかく用意したのに断られてしまった、ということを避けるためにも、渡したい場合は打ち合わせのときに「心付けはお受け取りいただけますか」とさりげなく確認しておくのがスマートです。
当日に辞退された場合は、一度だけ重ねてお渡しし、それでも遠慮されるようなら無理におさめようとしないのがマナーです。その場合は、結婚式が終わったあとに、負担にならない金額のお菓子やお手紙を改めて贈れば、気持ちは十分に伝わります。
それでも心付けを渡したい場合の相場と渡し方マナー
プランナーへの心付けは新札5,000円〜1万円が目安
心付けの金額は、割り切れないキリのよい数字を選ぶのがマナーです。ウェディングプランナーへは新札で5,000円〜1万円が目安。お世話になった度合いに応じて、3,000円ほどで用意するケースもあります。お世話になった主なスタッフごとの一般的な相場は次のとおりです。
| 心付けを渡す主なスタッフ | 相場金額 |
|---|---|
| ウェディングプランナー | 5,000円〜1万円 |
| ヘアメイク・着付け担当 | 3,000円〜1万円 |
| 司会者 | 5,000円〜1万円 |
| 介添人 | 5,000円〜1万円 |
| カメラマン | 3,000円〜1万円 |
| 会場スタッフの責任者 | 3,000円〜1万円 |
新札を「結びきり」の袋に入れる
心付けは折り目のない新札で用意し、お祝いの席にふさわしい袋に入れて渡します。ポイントは水引のデザインです。結婚式では「一度きり」を意味する結びきりを選び、何度でも結び直せる蝶結びは避けましょう。
金額が1万円以上なら、のし付き・水引10本の結びきりのご祝儀袋に。1万円未満なら、結びきり柄の小ぶりなポチ袋にお札を三つ折りにして入れます。ポチ袋は柄がカジュアルになりすぎないものを選ぶと、式の場にもなじみます。
渡すタイミングは、当日最初のご挨拶のとき
心付けは、結婚式当日、スタッフが仕事に取りかかる前の最初のご挨拶のタイミングで、「本日はよろしくお願いします」と一言添えて渡すのが基本です。とはいえ当日の新郎新婦は身動きが取れないため、実際にはご両親に託すのが定番です。「誰に・いくら・誰から渡すか」を一覧にして事前に預けておくと、当日慌てません。
もし「渡すかどうか最後まで迷いそう」というときは、ポチ袋と新札の予備を1〜2セット用意しておくのがおすすめです。当日「やっぱりお渡ししたい」と思ったときにも、すぐに気持ちを形にできます。
心付けよりも選ばれている、お礼のプレゼントの選び方
現金だと相手を恐縮させてしまいそう。そんな理由から、いまは心付けの代わりに品物でお礼を渡すカップルが増えています。プレゼントなら式のあとや後日にも渡しやすく、受け取る側の心理的なハードルもぐっと下がります。
相場は3,000〜5,000円。「お返し不要」の金額に収める
お礼の品物は、相手がお返しを気にせず受け取れる3,000〜5,000円程度が相場です。感謝が大きいほど豪華なものを贈りたくなりますが、高価すぎるプレゼントはかえって相手に気を遣わせてしまいます。この金額の範囲に収めることが、いちばんの思いやりです。
基本は、すぐに消費できる「消えもの」
相手の好みを完全に把握するのは難しいもの。ずっと手元に残るものより、食べものや消耗品のような「消えもの」を選ぶのが基本です。お菓子の詰め合わせ、バスグッズ、ハンドケア用品などが定番です。
避けたほうがよいもの
選ぶ際は、次のようなものは避けるのが無難です。
- 高額な品物(お返しの負担を感じさせてしまう)
- 名入れグッズなど、形に残り続けるもの
- 香りの強いものなど、好みがはっきり分かれるもの
- 賞味期限の短い生菓子や要冷蔵の食品
また、プランナーは勤務中に受け取ることになるため、持ち帰りやすいサイズかどうかも意外と大切なポイントです。

プランナーが実際に嬉しいお礼のプレゼント例
ここからは、受け取る側の実感も踏まえて、実際に喜ばれることの多いお礼の例をご紹介します。
個包装で日持ちするお菓子
定番にして間違いのない選択です。個包装であればスタッフルームでほかのスタッフにもおすそ分けができ、「チームみんなへのお礼」としても気持ちが行き渡ります。賞味期限が長めのものを選ぶのがマナーです。
ハンドクリームなどのケアグッズ・リラックスグッズ
プランナーは、書類やペーパーアイテムを扱い、お客様に手元を見られることの多い仕事です。上質なハンドクリームやネイルオイルは実用性が高く、喜ばれやすい贈りものです。責任の大きな仕事だからこそ、入浴剤やアロマなどのリラックスグッズも気の利いた選択になります。
感謝の手紙・メッセージ
もっとも気持ちが伝わるのは、やはりおふたりの言葉です。プレゼントに手紙を添えるだけで、贈りものの温度は大きく変わります。形式にとらわれる必要はなく、丁寧な言葉で素直に感謝を綴れば十分です。書き方や例文は、結婚式でお世話になったプランナーへのお礼の手紙・メールの書き方と例文で詳しく紹介しています。
最近では、式のあとにLINEやInstagramのDMで一言お礼を送るカップルも増えています。かしこまった形でなくても、おふたりからのメッセージはそれだけで嬉しいものです。
結婚式当日の写真やアルバム
実は、担当した結婚式の写真は、プランナー自身の手元にはほとんど残りません。だからこそ、おふたりの当日の写真データやミニアルバムは、自分が携わった一日を何度も見返せる宝物になります。現場の感覚では、これがいちばん喜ばれる贈りものかもしれません。後日、手紙と一緒に贈るのがおすすめです。
新婚旅行のお土産
「後日改めてお礼をしたい」という場合は、新婚旅行のお土産を持参または配送で贈るアイデアもあります。旅先での写真や近況を綴った手紙を添えれば、式のあともつながりを感じられる、あたたかい贈りものになります。
フリープランナーに依頼した場合のお礼の考え方
プロデュース料に対価が含まれるため、心付けは不要
会場に所属せず独立して活動するフリーのウェディングプランナーに依頼した場合、お礼はどう考えればよいのでしょうか。
結論として、心付けは基本的に不要です。フリープランナーへの依頼では、最初に提示される「プロデュース料」がサービスへの対価そのもの。料金が明確に示されているからこそ、別途の心付けを用意しなくても失礼にはあたりません。
それでも伝えたい感謝は、言葉と「発信」で
一方で、フリープランナーは結婚式準備の最初から当日まで、長く密に伴走してくれる存在です。だからこそ「依頼料とは別に、何かお礼をしたい」と感じるカップルが多いのも自然なことです。
その場合も、高価な品物は必要ありません。手紙や当日の写真に加えて、いまの時代ならではのお礼としておすすめしたいのが、口コミやSNSでの感想の発信、そして友人への紹介です。おふたり自身の言葉で語られた結婚式の感想は、次のカップルがプランナーと出会うきっかけになり、フリープランナーにとってキャリアの財産そのものになります。

迷ったら「手紙+ちょっとしたお菓子」で十分
ここまで相場やマナーをお伝えしてきましたが、お礼の本体は金額ではなく気持ちです。心付けを渡すかどうか、いくらにするか、何を贈るか。迷ったときは、感謝の手紙に3,000円前後のお菓子を添える。それだけで、受け取ったプランナーにとって忘れられない贈りものになります。
おふたりの結婚式に力を尽くしてくれた人へ、おふたりらしい形で「ありがとう」が届きますように。
