長野を拠点にフリーウェディングプランナーとして活動する熊谷麻里子さん。26年以上ウェディングの現場に携わってきた彼女が掲げるのは、「結婚式は楽しくなくっちゃ!」という、シンプルで力強い言葉。そこには、準備期間から未来まで、結婚式に関わるすべてを最高の思い出に変えるという、熱い想いが込められていました。
熊谷麻里子さんがウェディングの道を選んだのは自身の経験が原点。ライフステージの変化と共に選んだフリーランスという働き方
——ウェディング業界での経験が長く、ゲストハウスの支配人まで務めた熊谷さんがフリーとして独立されたのは2008年のこと。どんな思いでフリーになることを決めたのでしょうか?
熊谷さん:
実は、元々フリープランナーになりたかったという訳ではないんです。ウェディングの世界に足を踏み入れたのは、自身の結婚式が楽しかったから。準備期間を通してゲストの笑顔を思い浮かべたり、自分の家族に対する想いが変化する経験をして、結婚式が持つ不思議なパワーに心を動かされました。「こんな仕事があるんだ、私もこの仕事がしたい」と強く思い、プランナーの仕事を始めました。
そこからレストランやプロデュース会社、そして前職であるゲストハウスで働いてきましたが、子どもが生まれ、成長する中で、親として子どもをもっと側で支えたいと思い、退職することに。でも、やっぱりこの仕事が好きだったので、今の私でもできる働き方、私生活を大事にしながらも結婚式と関わる方法はないんだろうかと考えるようになりました。そんな時に、憧れの人がフリープランナーとして働いていることを知り、私もこの働き方がしたいと決め、フリープランナーになりました。

「やったことないけど、一緒に楽しみましょう!」熊谷麻里子さんと創る山頂や牧場でのウェディング
——長野を拠点に活動されている熊谷さん。人気スポットの軽井沢はもちろん、山頂での結婚式など、ユニークな場所でのプロデュースも印象的です。会場はどのように決めるのでしょうか?
熊谷さん:
ここといって決まった会場があるわけではなく、新郎新婦のお話を聞きながら、場所探しから一緒にスタートしています。長野県は自然豊かな環境なので、県外からリゾート地への旅行を兼ねていらっしゃる方も多いですね。
変わったところだと山頂や牧草地、キャンプ場、美術館、ワイナリーなどで開催したことがあります。山頂を選ばれた方の理由は、一組はシンプルに「アウトドアが好きだから」。もう一組は、「亡くなった父に見守ってもらえるように、天国に一番近い場所で」という理由でした。これまで結婚式の実績がない場所での開催も多く、私自身もどのようにできるのか、想像がつかないこともあります。でもどんな場所でも「私たちもやったことはないけれど、一緒に楽しみましょう!」と、新郎新婦様と手を取り合ってスタートすることがほとんどです。
——牧草地やキャンプ場だと許可をとるのも大変そうですが、いかがですか?
熊谷さん:
管轄している役所や観光協会に問い合わせると、皆さんとても協力的なんです。いつしか話が発展して、「長野名物のお蕎麦やおやきを結婚式で出すのはどう?」と、地元のおばあちゃんグループが協力してくださったこともあります。
結婚式を通して、その土地の人の温かさに触れられるのも、地方で結婚式をやる魅力の一つだと思っています。新郎新婦のお二人と地元の人につながりができることで、記念日などでまたその場所を訪れた際に、私がいなくても「おかえり」と迎えてくれる人がいる。地元の人を巻き込むことで、そんな未来に繋がっていったらいいなと想います。

全体バランスで予算を調整。不便さも天候さえも楽しい思い出にしちゃえばOK
——屋外やオーダーメイドだと、どうしても費用が高くなりそうなイメージがあります。実際はどうなのでしょうか?
熊谷さん:
人数にもよりますが、一般的な式場と同じくらいか、やり方によって費用を抑えることも可能です。例えばフルコースではなくケータリングのビュッフェにすることで、全体的な予算は下げられます。私は「おふたりの予算をお預かりする係」だと思っているので、何にこだわり、どこを節約できるか、一緒に考えながら進めていくのでご安心ください。
——式場やレストランと違って、機材が揃っていなかったり、悪天候の心配はないですか?
熊谷さん:
そうですね。車で行けない場所もあるので、機材はロープウェイを使って運んだり、パートナー企業の皆さんと一緒にドリンクやグラスをえっちらおっちら運んだり。翌日はみんなで筋肉痛になる、なんてことも日常茶飯事です(笑)。でも、それも含めて全部が楽しい思い出になっちゃうんです。
天候については、まず雨天時の場所は必ず確保しておきます。そして万一雨が降ってしまった場合も、「雨だから残念」ではなく、「雨が降ったからこっちの場所になったけど、結果的にもっとよかったね」と思えるような第二案、第三案を常に考え、ご提案できるようにしています。とはいえ、私自身は晴れ女を自負していますし、ウェディング業界には自称・晴れ女、晴れ男がたくさんいる気がします(笑)。

熊谷麻里子さんが築くクリエイター陣との関係性。「持ち込み自由」が生む最高のチーム
——どんな状況もポジティブに受け止める熊谷さんの姿勢が素敵ですし、一緒に機材を運んでくれるようなパートナーの皆さんも心強い存在ですね!
熊谷さん:
結婚式当日を任せるパートナーの皆さんとは、結婚式が終わったらさようなら、ではなく、その後のお二人とも繋がっていてほしいなと考えています。実際にお子様が生まれたら七五三で撮影をお願いしたり、ヘアメイクさんの美容室に通い続けている、というお話もよく聞きます。その前提で、お二人と長く関係性が続けられそうな、私が心から信頼している素敵なクリエイターさんたちを紹介しています。
もちろんお二人の持ち込みも完全に自由です。お二人が信頼するクリエイターとチームを組むことが、さらに結婚式を良いものにすると思っているからです。持ち込みを相談された場合、まずはなぜその方を持ち込みたいのか、理由をしっかりヒアリングします。そして私から事前に連絡を取らせていただき、お二人の式に対する想いや熱量を共有しています。そうすることで、当日「はじめまして」の集まりであっても、同じ熱量で最高の一日を作ることができるからです。以前、私以外のクリエイター全員が新郎新婦のお友だち、という結婚式もありました。私が皆さんの仲間に入れてもらったような感覚で、とても楽しかったですね。

「今日は雑談しよう」不安を溶かす、心に寄り添う打ち合わせ
——「結婚式は楽しくなくっちゃ!」というコンセプトを掲げる熊谷さん。準備期間から楽しくするために、打ち合わせで工夫されていることはありますか?
熊谷さん:
全体の打ち合わせ回数を決めたり、「この打ち合わせではこれを決めよう」といった決まりを作っていません。人によってはじっくり考える時間が必要だったり、忙しくてあまり時間を取れない人は回数を重ねることが負担になったりと、新郎新婦によって最適なペースやコミュニケーションの形は違うからです。フリープランナーはそうした決まりや時間のルールに縛られず、一組一組に合わせて時間をじっくりかけられるので、独立してよかったな、と思います。
一番大事にしているのは、お二人にとって、すぐに連絡が取り合えて、どんな些細な不安も抱え込まずにすぐに解消できるような相手でいること。時には「今日は雑談しよう」「近況報告しよう」といったプチ打ち合わせをすることもあります。
——時には親御様も打ち合わせに参加されることがあると聞いて、驚きました。
熊谷さん:
先方から希望される場合もありますし、むしろこちらから「お母様もぜひ一緒にどうですか」とお声がけすることもあります。最近の親御様は遠慮がちで「二人に任せるよ」と言いつつも、本当は気になっていたり、関わりたいと思っていることが少なくありません。私自身が長男の結婚式を経験して、親の視点も深く理解できるようになったからこそ、ご家族にとっても良い結婚式にできるようなお手伝いができればと思っています。当日もはじめましてではないので、親御様も安心して式に臨んでいただけるようです。
「結婚式は楽しくなくっちゃ!」というコンセプトには、当日だけでなく準備期間やその先の未来も、そして新郎新婦だけでなく、参列するゲストやご家族、作り手である私たちスタッフやパートナーも、全員が楽しくなくっちゃ、という想いがあります。苦しいことも大変なこともあるけれど、全部ひっくるめて楽しくなくっちゃ、という願いを込めているんです。そうして当日を迎えた後、結婚式が終わってからもみんなで集まった時に話すとか、親戚で集まった時には映像を見返しています、という話を聞くと、すごく嬉しいし、私にとっては何よりも幸せを感じます。

熊谷麻里子さんからの特別メッセージ
熊谷さん:
結婚式をするかしないか、迷っている方も多いと思います。絶対にすべきだ、と断言するつもりはありません。でも、これまでの経験から、誰かを祝い、感謝を伝える時間は、これからの人生を間違いなく豊かにしてくれると信じています。
「自分たちらしさって何だろう?」そんな漠然とした想いからで大丈夫です。「自分のため」「誰かのため」、どんな形でも構いません。おふたりにとって何がベストなのかを一緒に考える存在でいたいと思っていますので、どうぞお気軽にご相談ください。

熊谷麻里子さんの結婚式のポイント
1. 完全オーダーメイドで創る、唯一無二のウェディング
山頂や牧場、キャンプ場など、常識にとらわれない場所を舞台に、ゼロから結婚式を創り上げます。実績のない場所でも、ふたりの想いを形にするために全力でサポートします。
2. 「持ち込み自由」で叶える、理想のチームと賢い予算管理
大切な友人や信頼するクリエイターとのチーム作りを歓迎します。持ち込み料はかからず、全体の予算バランスを見ながら、こだわるところと節約できるところを一緒に考えます。
3. 回数無制限の打ち合わせと徹底した寄り添い
不安をなくすため、雑談を交えながらこまめに打ち合わせを重ねます。親御様の参加も歓迎し、家族みんなが心から満足できる一日を目指します。
4. 長野の自然と人の温かさを繋ぐプロデュース
地元の人々の協力を得て、お蕎麦やおやきを振る舞うなど、その土地ならではの温かいおもてなしを実現。結婚記念日にまた訪れたくなるような、心に残る場所作りを大切にしています。
まずは公式情報をチェックして、熊谷麻里子さんの世界観に触れてみてください!
「結婚式は楽しくなくっちゃ!」この言葉を胸に、新郎新婦一人ひとりの心に深く寄り添い続ける熊谷麻里子さん。彼女の手にかかれば、結婚式は単なるイベントではなく、ふたりとゲスト、そして関わるすべての人にとって、人生を豊かにする宝物のような経験に変わります。長野の雄大な自然の中で、あなただけの物語を紡いでみませんか。
YouTubeで関連動画をチェック